YouTubeでとあるプロカメラマンが、フラッグシップ機を使わないプロカメラマンは、買えない言い訳にフラッグシップ機なんて必要無いと言っているに過ぎないと言っていました。
ご本人に直接反論する気はありませんが、フラッグシップ機と高画素機の使い方の明確な違いについて、私が思うところを書いていきたいと思います。
(PENTAX K-1 smc PENTAX-FA 31mm F1.8AL Limited)
デジタル一眼レフ、特にニコンとキヤノンにはフラッグシップ機があります。
動きモノを撮るのに良いとされていますが、基本的には画素数があまり高くない代わりに連写性能やピントの追従性が優れており、パッと一枚の写真を撮った時にも素早くピントの合った写真を撮ることが可能です。
それに対して高画素機は、フラッグシップ機よりはメーカーの位置付けとしてはワンランク下とされており、連写性能や動きモノへのピント合わせはフラッグシップ機に及ばないものの、カメラの価値を高画素高画質側に振っており、大抵の高画素機はフラッグシップ機よりは画質が上です。
ただ、フラッグシップ機と高画素機は、そのような使い分けよりも、もっと写真の根本的な考えの違いがあるように思います。
一言でいうと、ヒットの打率を上げるかホームランを狙っていくかの違いです。
職業写真では、例えポテンヒットでも、ヒットの打率をどんどん上げていくことが必要な撮影が少なくありません。
こういう時はフラッグシップ機が大変強い味方となります。
例え極端な連写が必要なくても、フラッグシップ機のカメラとしての基本性能にカメラマンが助けられることは一度や二度ではありません。
ですので、自分の撮影が、ヒットの打率を上げることがメインであれば、フラッグシップ機を使うのがよいと思っています。
一方、高画素機は最初からホームランを狙った撮影の時に強い味方になります。
「ヒットの延長線上にホームランがある訳では無い」という考え方は重要だと思っており、ホームラン狙いとヒット狙いでは異なるアプローチが必要です。
土門拳氏が何故大判カメラを使ったのか、ということに考え方としては近いと思っています。
あと、カメラメーカーもによっても違いはあります。
キヤノンやソニーは最初からポテンヒットの重要性を意識してカメラを作っているように思います。
ペンタックスやフジやシグマは基本的に設計者がホームランしか意識していないと思います。
ニコンは基本はヒットの打率を上げていくためのカメラですが、ホームランにも未練があって、そこが私はニコンを愛している理由にもなっていますが、プロ機としてキヤノンに水を開けられている理由にもなっていると思っています。
ちなみに元々ニコン使いでペンタックスに乗り換えた私は、ホームランに近いところを常に意識しながら時にはヒットにも対応できるよう精進しています。
ただペンタックスに乗り換えたということは、ヒットを捨てる決意をしたということかもしれません。
ついでに言うなら写真の質に直接影響するのは、カメラよりもストロボです。
50万円のカメラに 20万円のストロボを使うよりは、20万円のカメラに 50万円のストロボを使った方が、写真の仕上がりは、良い方向にかなり変化します。
なので、フラッグシップ機を使うことによる写真の差は、小さいところを右往左往しているだけのように見えなくもありません。
と書いてみて、これはホームランバッターの考え方かもしれないと思いました。
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